Terraon Lifestream

映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと | SYD FIELD -Screenplay- (Book) – P100

2009 12月 31st
7 Comments

興味が湧いたらタイトルで検索すればAMAZONでも売ってるので読んでみて下さい。
本国でも人気らしく読みやすいです。以下はメモ。

序章:脚本とは何か?

  • フィッツジェラルドの失敗?|小説的な始まりの映画の失敗とは?
  • 映画的な始まりとは?
  • 「ただ、映像を思い浮かべただけです。」
  • 映画脚本とは、映像で語られるストーリーである。

著者はいくつかの最初の点に注目している。 まずはページ上の見え方である。見え方でプロとアマは区別できる。

  • ページの状態
  • 余白は十分か?パラグラフは過度に密度高くないか?
  • 会話は長すぎないか?
  • ト書きは短すぎないか?
  • 会話の内容が薄すぎないか?

映画脚本の特性

  • 演劇はストーリーを覗き見る。
  • 小説はそのもの。人物のすべてを感じる。人物=ストーリー。
  • ストーリーとは?部分と全体。
  • 発端、中盤、結末がある。
  • 見る映画すべてが勉強になる。
  • ストーリーの構造に注意を。
  • 構造とは?「構造」とは築くということ
  • 全体と部分の重要な関係性。建築のイメージ。
  • つまり見取り図が存在する(テーブルはどんな種であれテーブルである為の見た目を備えている)の存在、理解する事で創作の助けになるだろう。
  • 脚本はどんな形であれ脚本の見た目を備えている。

cc16711a817837f121269a60932b3a1f

NullLine100-px

第一幕:文脈

ストーリーをたて、キャラクターを設定し、主要なキャラクターの人物関係を提示する

  • 目安は最初の10分
  • 文脈の設定が行われる。
  • 文脈は中身を一定に保つ役割を持っている

『アメリカン・ビューティー』の作例〜詩的なモノローグ作戦〜
「わたしの名前はレクター・バーナン、42歳で、1年以内に死ぬ。とはいえもう私は既に死んでいるのだが」酷い一日の描写。「この脱力感は何だ?それを取り戻すには、まだ、手遅れということはないのだ」失った尊厳や人間性を取り戻そうとする話。

『チャイナ・タウン』
私立探偵で秘密裏に浮気調査を行っているジェイク・ギネス(カーリーに彼の妻が公園でセックスをする写真を見せる事でわかる)。しばらくしてモーレイ夫人が現れ、「夫が誰と浮気しているのか?」調べようと打診する。 つまり、その答えを求めるストーリーであると推測できる。

『グラディエーター』
偉大なる将軍マキシマスは北での戦いに勝利を収める。 勝利の夜、ローマ皇帝に呼ばれ跡継ぎを望まれるマキシマス。 ところが皇帝は息子のコモドゥスに秘密裏に殺されてしまう。 皇帝殺しの罪を着せられ軍を追われ、 家族をも殺されたマキシマスは奴隷剣闘士(グラディエーター)として生きていく事になる。

『ロード・オブ・ザ・リング』
人、エルフ、悪いヤツラ(失念)の指輪の魔力とそれを巡る争いをモノローグで延々と説明。続いてガンダルフがホビット庄を訪れ、指輪をホビット達に託す。ホビット達が平和な一族で、指輪が彼らにどう関わっていくのかがわかる。指輪の滅ぼし方と遠くで胎動する目玉のショットで作品ははっきりする。

『コールド・マウンテン』
戦争に参加する為ではなく、故郷に戻るために200マイルの道を必死に戻っていく。障害が立て続けに発生するが、彼の意志は薄れる事はない。 コールド.マウンテンは彼(ニコール・キッドマン)の愛するエイダが死んだ場所であるからだ。戦争という障害、生きたいという内面の戦いを描く。

『UP』
老人が妻を失い人生の目的を失っていた。意を決した彼は風船を結びつけ家を飛ばし、旅をする。目指すは遠き秘境の地、南アメリカ!

ドラマ上の前提とは。

  • これは何に関する脚本なのか?
  • 主題の提示が成される。

NullLine100-px

第二幕:障害と対立

達成したい目標の前に立ちふさがる障害と対決する。

  • 障害があれば、それを乗り越えるというストーリーが出来上がる。
  • 乗り越える(話が転がる、展開する)の連続を意識する。
  • 主人公の欲求と、対立する障害が必要
  • 主人公は対立状況におかれる(ダブルバインド?)
  • 対立なしにアクションは生まれない
  • アクションがなければキャラクターは作れない
  • キャラクターなしでは、ストーリーは生まれない
  • ストーリーがなければ、脚本は存在しない

『チャイナ・タウン』
事件を追ううちに水力事業汚職の黒幕を守る者たちと衝突する。 ジェイクが彼らと対立し乗り越えるストーリーが進行する。

『逃亡者』
妻殺しの真犯人にほうの裁きを受けさせたいという欲求。

『UP』
少年と老人は旅先で慣ついたチョコ好きの”鳥”を狙う過去の冒険家に捕まってしまう。鳥を奪おうとしていると勘違いされ、追われる身となる。風船のガスが抜け、家が浮力を失うまでに一行は滝の麓にたどり着かねばならない。

NullLine100-px

第三幕:解決

脚本上の解決とは? 主人公は生きるのか死ぬのか? 成功するのか失敗するのか? レースに勝つのか、負けるのか? 脱出できたのか、? 夫と別れたのか、そうではないのか? 故郷に無事できなかったのか辿りつけたのか? エンディングではない。エンディングとは特別なもの。

『UP』
老人は家を無事に運び終え、新たな目標>冒険心>人生を得ることができる。鳥も無事子どもたちの元へ戻ることができたのだった。

NullLine100-px

プロットポイント

第一幕、第二幕、第三幕をそれぞれどのようにつなげていけばいいのだろうか?

  • プロットポイント(PlotPoint/PP)は主人公に対する事件やエピソード。
  • 物語を違う方向に向かわせる分岐点となる。
  • どこでストーリーを前に進めるのか?というポイント。
  • 脚本上の土台となる。
  • 必ずしもダイナミックなシーンやシーケンスであるとは限らない。>アクションは内面にも起こっている。
  • あくまでページ数はガイドライン。

『ロード・オブ・ザ・リング』
PlotPoint-1 | フロドとサムがホビット庄を離れ、中つ国へ旅立つシーン。

『チャイナ・タウン』
PlotPoint-1 | 冒頭に現れた婦人は偽物だった。本物の婦人の登場で物語は流れ、彼をはめた黒幕を解明しなければならない展開に。

『マトリックス』
PlotPoint-1 | ネオがthe oneとしての運命を背負う所(結構長いなー)赤い錠剤を選び、文字通り第二の舞台が始まる。 PlotPoint-2 | ネオがトリニティー達を救出し、the oneとしての運命を受け入れる所。

『コールド・マウンテン』
PlotPoint-1 | 傷が癒えたインマンが、エイダからの手紙を受け取る。手紙の内容に彼は心を打たれる。 PlotPoint-2 | エイダに出会う。彼女と赤ん坊と北軍から守った後、ブルー・ブリッジ山が見える場所にたどり着く。帰ってきたのだという感情を際立たせる。

『グラディエーター』
PlotPoint-1 | 一度は生きる目的を失ったマキシマスが奴隷商の話を聞き、皇帝に復讐する事を決意する。

『アメリカン・ビューティー』
PlotPoint-1 | レスターが娘の友達のアンジェラを見かけ、感情が動く。

『UP』
PlotPoint-1 | カールじいさんの家(人生?)が飛び立つ。少年が付いてくる。
PlotPoint-2 | 妻との約束を果たす。妻の「本」に自分宛のメッセージをみつけ、拐われた鳥を助けようという新たな冒険をはじめる決心をする。

Memo:静かな作品のプロットポイントはやはり静的、エンタメ色が強い作品は事件も派手で動的なプロットポイントを持ってる。

パラダイム(見取り図)と公式

  • よい脚本はパラダイムにそって書かれている。
  • パラダイムにそったものが良い脚本であるとは言えない。
  • ジャケットのパラダイムは二つの袖と前後の生地である。
  • 土台であり、たくさんの可能性がある。

NullLine100-px

主題

市民ケーンの作例

  • 脚本を書き始めるには、アイディアや技術以上のものが必要だ。
  • 主題=アクション&キャラクター
  • 脚本は、主題をドラマ化する。
  • 脚本は、アクションとキャラクターをドラマ化する。
  • 何について?誰について?
  • どんな過去?どんなバックグラウンド?
  • なぜ?
  • 数行で言えるのか?

『市民ケーン』
”バラのつぼみ”に対する答えを探すことで、映画を通しての感情のラインと言う物語上の主眼が生まれてくる。

『ラスト・サムライ』
おちぶれた南北戦争の英雄が当初は的であった人々に救われ、自己を取り戻す話。

『コールド・マウンテン』
戦争を投げ出して故郷に帰ろうとするアメリカ人の話。 愛と、生きる意味を描いている。 (故郷とは、”心に敵意が芽生える前の神聖な場所。”)

『俺たちに明日はない』
主人公と仲間たちが大恐慌時代の中西部の街で銀行強盗を重ね、落ちぶれ転落していく話。

『UP』
人生を失っていた老人が少年と旅をすることで冒険心を思い出し、新たな人生を歩み始めるまでの話。

アクション(行動)とキャラクター(人物)

  • アクション(行動)とキャラクター(人物)を捉えることは必要不可欠。
  • その後、要素を広げて構成とストーリーに進む
  • ストーリーを自由に数ページ書いてみよう
  • 重要な点に絞り、シンプルな一行か二行にする
  • 心配する必要はない、これを続けていけば、自分のストーリーを、簡潔、明確に述べられるようになる。
  • アクション(行動)とキャラクター(人物)しること=何を書こうとしているかしること
  • 主題を探し出すと、主題もあなたを探し始める。
  • アクション(行動)+キャラクター(人物)+あなたのアイディア = 脚本を書く準備完了
  • 映画とはキャラクターが「〜する」ことの連続ともいえる。

55a0868dcf844edc16c75a133ed92b5e

脚本とコミュニケーションする

  • 情報収集はたしなみである。ライブリサーチ(取材)により、主題に現実的な根拠を与える
  • 主題を見つけたら、その次はリサーチだ。
  • ”ポール・シュナイダーは、電車の中の映画を書こうと思い、電車に乗った。列車から降りた時、何もストーリーを考えていなかった事に気がついた。それでもいいのだ。”
  • 「分析」する
  • 会話は生物なので、役者がより良い台詞を考えてくる事はある。それは良い。しかし、キャラクターが何を求めているか、根本的な欲求の部分は聖域であり、絶対に変えてはならない。なぜなら、その欲求がストーリーを成立させているからだ。
  • ストーリーの視覚的概念をつかむことは、時間がかかる。

感情のアクション、身体のアクション

  • 人物にとっての動機とは何か?を知る必要がある。
  • キャラクターが欲することがドラマ構成を決める。
  • ウォルト・ソルト「まずは、基本的な”ドラマの欲求”を作ることだ」

『狼たちの午後』
愛人の性転換手術の資金を得るために銀行に押入る。

『真夜中のカウボーイ』
NYに来て女を引っ掛けようとする。

『キル・ビル』『グラディエーター』
大切なものを失い、復讐する話。

  • すべてのドラマは「葛藤・衝突」である。
  • キャラクターの目的をはっきりさせる事が出来たなら、その達成を阻止しようとする障害物を設定することが出来る。キャラクターがその障害物をどのように乗り越えられるかがストーリーである。

『真夜中のカウボーイ』
いきなり引っ掛けられて金を失う。 主人公は全てを失い、NYの厳しい現実と対決する。

  • 観客に興味を抱きさせ続けるのは葛藤であり、脚本家の責任
  • 葛藤(衝突)がないと観客はあきる
  • 主題をつかめ、自分の関心のあるものを探そう

NullLine100-px

登場人物

”事件”

  • 素晴らしい登場人物をつかむ鍵を探してきた。?「時には科学者のように」
  • 事件を起こさずして何が登場人物か?登場人物の輝きなくして何が事件か?
  • 脚本とは、基本、事実を綴るものである。
  • 脚本における事件には、登場人物の本質がすぐに分かるよう明確に構成されている。
  • コンセプトを人物に結びつけるにはどうすれば?
  • 事件(や、に対する反応)は人物を浮き上がらせる。

『テルマ&ルイーズ』
週末出かけたバー、男が駐車場でテルマをレイプしようとし、戻ってきたルイーズはテルマの銃で男を殺す。(PP1) PP1は本当の意味でのストーリーの始まりで、そこからメキシコへの逃避行が始まる。 >>引き金に手をかけた人間性とは何か?射殺の瞬間こそが事件であり、ルイーズを表現する象徴的な出来事である。

アクション

  • アクションが人物を作る。
  • 人物が〜すること、で性格が示される。
  • 映画はアクションによって語られる。
  • 時にはリアクションも必要だが、アクションのない映画はぼやけたもになる。
  • ある状況の中で人物が何を行うか、の繰り返しが映画
  • 「再掲:事件を起こさずして何が登場人物か?登場人物の輝きなくして何が事件か?」
  • キャラクターの内面:誕生から現在まで
  • キャラクターの外面:映画の始まりから終りまで キャラクターの内面を構築しよう(P49〜P53にチェックリストがある)

師サム・ペキンパーの例

  • ”脚本を書くなら、誰について書いているのかはっきりさせることだ。準備として、登場人物選んでその人物の年表を書いてみる。自由に連想して、何でも思いつくまま書いて見ればいい。思考と、言葉と、アイディアをただ吐き出せばいい。誕生から始めたいかも知れないが、直線的に登場人物の線をおいかけなくてもいい。必要ならスキップしても構わない。クリエイティブな意識のままに、最初の10年、次の10年とブレイクさせていけばいい。” サム・ペキンパー
  • サムの各人物:何かに囚われているか、自らを捧げるタイプ
  • 変わりゆく時代の中で、その変化に対応できない者(達)
  • 弟子エドの、ペキンパーへの質問
  • ストーリーにおける葛藤は人工的に生み出すものなのか?
  • それともストーリーそのものに内在されているのか?
  • ペキンパーの脚本 -『ワイルド・パンチ』の作例-
  • 登場人物を設定、全てが列車強盗に向かうように構成し、 その後は列車強盗の結果から展開していく。

NullLine100-px

ドラマ上の欲求

魅力的な登場人物とは?

  1. 登場人物は皆強力ではっきりとした”ドラマ上の欲求”を持っている。
  2. 独自の考え方、ものの見方を持っていること
  3. あるものに対する態度を体現していること
  4. 何かしらの変化や変身を遂げること

?ドラマ上の欲求

  • 人間は皆同じ欲求を持っている。
  • 個人的な欲求が大切。
  • 脚本上の欲求、ドラマ上の欲求
  • 物語の途中(PP1/2)で欲求が変化する場合もある。
  • 『コールドマウンテン』=故郷に帰ること
  • 『テルマ・ルイーズ』= 無事に逃げきること
  • 『ロード・オブ・ザ・リング』=指輪を滅ぼし世界を救うこと
  • 『グラディエーター』=皇帝に復讐すること
  • 『アポロ13』=宇宙飛行士達が無事に帰還すること
  • 『ダンス・ウィズ・ウルブズ』=戦争の狂乱から逃れること>>遠く離れた地でスー族との関係を築くこと

?登場人物の考え方

  • コントラストを意識して浮き立たせる
  • 『ショーシャンクの空に』=希望とは空虚である、危険だ(レッド)、アンディにとって真逆、価値のあるもの。
  • ディザスターものでは、災害そのものがキャラクターであると考える。

?登場人物の態度

  • 態度とは外面のアクション。考え方と似ているけど違うもの
  • 振る舞いや意見、行動などのエモーショナルな的な手段。

?変身を遂げる

  • 必ず、ではない。(でも遂げた方が気持ちイイ)
  • ドラマ上の欲求とも結びついている
  • 『恋愛小説家』=ラスト「良い人間になろうと思う」
  • 人物の描き方:最重要部分はアクションである。
  • テルマ・ルイーズの作例。(P79〜)
  • 習慣や行動、周辺の人物との会話からキャラクターが伝わってくる

映画上のキャラクター

  • 照明理論:ヘンリージェームズの照明理論
  • 会話は登場人物そのものである。
  • 登場人物像をつかむと、流れるように会話をかくことが出来る。書けば書くほどよくなるだろう。

NullLine100-px

ストーリーと人物設定

  • アイディアから先に書くか、キャラクターから先に書くか?
  • 作例:サラのストーリー(〜P100)
  • キャラクター、前提から状況設定〜葛藤〜結末のな流れを作る
  • エンディングには様々な可能性
  • 劇場のスクリーンは鏡であり、そこに観客は自分たちの考え、希望、夢、成功、失敗を反射させているのである。

すっきりなED

  • 『エリン・プロコビッチ』
  • 『ロード・オブ・ザ・リング』
  • 『くじら島の少女』
  • 『グラディエーター』
  • 『ショーシャンクの空に』
  • 『ボーン・スプレマシー』

主人公のドラマ上の欲求が満たされたかどうか 悲しい、もしくはどちらとも取れるED

  • 『サイレント・ヒル』
  • 『テルマ&ルイーズ』
  • 『俺たちに明日はない』
  • 『ミリオンダラー・ベイビー』
  • 『コールド・マウンテン』

作例のまとめ〜シドのシナリオの講義で行った脚本家志望の学生達とのセッションより〜

  • 始まりはただ、ボストンの若い女である、からスタート。 様々に肉付けして、それが映画になるように計画していく。
  • Story=1970年代に、若い弁護士が、原子力発電所の安全ではない労働状況を発見し、政治的な圧力と彼女自身への脅しにも関わらず、政治汚職を暴くことに成功したのである。発電所は閉鎖され、修理と同時に、職員と地域住民にとって安全であることが見直されたのである。タイトルは「予防措置」
  • 主要キャラクター=サラ・タウンゼント
  • アクション=原子力発電所に関わる政治的スキャンダルを暴く
  • オープニング=原子力発電所職員が汚染される。
  • エンディング=スキャンダルを暴く。

P100くらいまでが大体映画の「ねっこ」に当たる部分についてのお話だった。こっから具体論に入って更に面白いんだけど、読みたかったのはここまでだったのでワンクッション空けよう。

こちらも併せてどうぞ!

Filed under Book

アニメの撮影って?

2009 11月 4th
23 Comments

アニメ撮影で検索すると就職の文字が.png

Twitterでこんなつぶやきがあって

“もっと撮影って職業内容が広がって欲しいです・・・!アニメつくってますーっていうと、大抵アニメーターさん?って言われるのがちょっぴり切ないです”

で、ふと検索してて驚いたんですけど、そもそも「アニメ 撮影」でGoogle検索かけてもそれらしい情報がほぼ出てこない。他のエンジンでもそう。人材不足と言いながら、目だった情報がここまでネット上に少ないのは妙な話にも思えます。特に就職を控え、大事な選択を迫られている学生にとっては困った状況なんじゃないかなと。

誰にだって予測の付かない世界に飛び込むのはリスクだ。もちろん生の体験の情報量も半端ない。ただ、飛び込み上京をしてしまった僕が言うのも変な話だけれど、”ネットで調べ倒す”というのアリだし、有益な選択肢であって欲しい。膨大な情報を集めて、ガセネタをフィルタし、状況を租借した上で身の振りを選択できる人たちをアニメに振り向かせたいとも。iPhone&App Storeが完璧に証明してしまったキーワードのヒトツが、何か凄いものが生まれそうなワクワク感。なんだかんだそういう雰囲気に惹かれて人は集まる。(もう運命的にこっち側の人や、いい意味でのアニメ馬鹿はどこにいようが集まってくるだろうのでどうにでもなれ、という感じです。笑。)その点で、今はアテンション以前の状態なのかなあ。

だから、というほどではないけれど。大丈夫そうな範囲でいわゆる「アニメ撮影」について書いてみます。くどいですが、僕の私見なので、の場合もある、程度のものだと捉えてもらえると嬉しい。興味ある方へ役に立てば幸いです。多分、ちょっと頑張っていきたい人向けのアドバンス編。

アニメ撮影

wikipedia>撮影監督>アニメの撮影監督によれば。

”アニメーションの撮影監督も、照明と撮影の最終責任者という点は、実写の撮影監督と同じである。セルアニメなら、動画(セル画)と背景が完成してから以降の、それらを適切な順序・位置に重ねて撮影台にセットし1コマずつフィルムに撮影する作業を監督する。(中略)
現在のデジタルアニメでは、被写体をカメラで撮影するという、本来の意味での「撮影」はない。しかし、セルアニメ同様に、動画と背景を合成してひとつの映像データにする工程が撮影と呼ばれ、撮影監督が監督する。撮影前の画作りと撮影時の画作りとの境界があいまいになったため、撮影監督が監督する範囲が大きく広がることもある。”

つまり、コンピュータ上で色々な部署からあがってきた「素材」を合成してひとつの「画」にする役職で、最終的な画面の”絵”を最初に見るポジションということ。スタッフクレジットでしばし見られるVFXやコンポジットは”撮影”と基本一緒の意味ですが、上記の通り、近年の撮影は映像の色や質感に”大きく””頻繁に”介入する事があります。
そうした場合は、特に大きなプロジェクトや撮影の影響力の強いスタジオでは「ビジュアルエフェクト」といった別セクションとしてクレジットされたりします。現状では同じ撮影部、というくくりの中で役割分担している場合が多いです。

またエフェクト?という言い方は撮影よりもニュアンス的に「画作り」の意味合いが強く、撮影の人が好んで使う場合もあります。呼び名は色々、ということです。「素材を元に画を”良く”するセクション」程度に捉えておくのがいいのかも。映像に関して色々挑戦させられるので、あまり「こうだ」という思い込みは持たない方が自由にやれます(こういう気持ちは仕事としてスタートしてからの方が維持が大変かも知れない、規律もまた大事)。

使用ソフト

  • 商業セルアニメは”ほぼ”Adobe AfterEffects一本と言えます。
  • 素材の加工など、補助的にPhotoshopも使います。
  • いつまでも AfterEffects一本であるかどうかは分からないですが、すぐになくなることもなさそうです。
  • 他の合成ソフトを覚えておいて損はないです。
  • よく聞かれる内容として、入社段階であれこれソフトの扱いを覚えておく必要はないと答えるようにしています。
  • ただし独学で苦労した経験が役に立つことは良くある事です。

適正

絶対にこれ、というのは今のところ感じたことはないです。環境やチームのバランスで求められる素養はいくらでも代わっていくと思います。あえていうなら、それを見極める力、ともいえそうですが以下のような点はいえるかと思います。

  • 体力的にタフであること。何かしか徹夜仕事があるので。
  • 精神的にもタフであること。スケジュールが詰まると負荷が高まるのでそっちもタフな方がラク。
  • 要領が良いこと。逆説的ですが、徹夜はしない方がいいし、そうあれるよう自分をマネジメントできる事。
  • 絵はかけた方がいいです、絵心があった方が、とも言えます。(以下はTwitterで言われた事)

tool_animation_drawing

  • 多かれ少なかれ「CGで絵を描いているんだ」という気持ちは大切だよねーと。
  • カメラ、レンズへの興味。最近はリアル系の作品が多く、演出や作画チームとの共通言語にもなります。
  • 映像や物語が好きな事。これ全て、とも。

実際には業界の撮影が全員こういった映像制作気質かというとそういう訳ではないです。色々な人がいてたくさんの需要があります。技術的な側面の強い作業においては一時クリエイティビティを傍らにおいて、ひたすら慎重かつ几帳面な作業が求められますから(地道なマスキングや綿密な作画のトラッキングなど)、”そういう作業のエキスパート”もまた必要とされています。

将来

監督になる人、撮影監督を極める人、別の部署へ移る人、ずっと撮影の人、それぞれいます。特効や2Dデザイン、モニター類の映像デザインを極める人も。その人の裁量次第でどうにでもなるし、どうにもならない。目標へのアプローチのし易さはスタジオで異なるので環境選びはその辺の要となります。(スタジオ関係は特にですが、ネットの情報は余り正確でないことが多いのですので自分の目で検証を。)

収入

この辺りはセンシティブになってしまう部分ですが、何度か足を運んだ上での個人的観測ですけれど、専門学校段階でアニメとゲーム両方の素養のある学生さんの多くがゲームを選ぶのはほとんどの場合、経済的な期待によるみたいです。期待、というより、アニメは稼げない、という根拠の薄い確信を慢性的に共有してる。これについてはネットで話題になってしまっているマイナス効果かもなーと。大事なことなので、少しだけ書きます。

  • リクルート情報を追ってみた感じ、12?16万/月が平均的なスタートラインな様です。
  • 将来3Dとか演出とか色々やれると伸びるかも。
  • 正直撮影だけで年収1000万?は聞いたことないです。
  • 150〜700万くらいじゃないか?(推測)
  • よって生活できるか、という範囲でいえば、十分に食えますし、頑張れば自分の家を持てる程度に稼げるようにはなります。
  • 最近のネットの情報は経済面でのマイナスなイメージを多く感じますが、作画さんも含め、食えてる人は十分に食えてる、というのもまた事実です。
  • どんな業界でも「その人次第」であるということです。

仕事/向上心

撮影の基礎技術はそのものはゼロスタートでも1ヶ月あれば日常業務はこなせるようになっている筈です。で、そこから先の可能性はほぼ無限といえます。ほとんどの人にとって、それこそが勝負でしょうから、やりたい事に照準を合わせたら、周囲の期待に応じつつ、確実に歩を進めていく必要があります。(勿論何もしなければ日々何も起きない)
3Dのモデリング、アニメーション、エフェクトワーク。
AfterEffects内で動作するエクスプレッションやスクリプトの記述。
撮影補助プログラム、プラグイン開発。
AfterEffectsの構造そのものや、ひいてはOSそのものへの理解、
ハードの理解、サーバの理解、線の理解、演出の理解、抜けがちなところで人の理解。
色々あります、できる事が増えて、それが映像に反映されるのは中々に気持ちいいです。絵がうまくなったと実感出来た瞬間の様に。

参考サイト

このエントリもあえて同じニュアンスの表題にしてます。全体像は

にほぼ全て書かれていますよ。ほとんどの撮影さんにとって納得のまとめかと。他にも。

取材記事もありました。

とりあえずここまでで、もっとこうでは?こんなのもある、などここのコメント欄でも自身の環境でもどんどん発信してみて下さい!そうすることで情報がより多層・多角的にウェブ上に配置されこれから入ってくる人の助けになると思います。敷居がクリアになることが幾人かの選択を助け、僕達のものづくりに参加しようと思う人の層を底上げしていくかも知れないです。その連鎖が慢性的に抱えている不安や不満を軽減し、「こうありたい」というビジョンを後押ししてくれることを願います。

合言葉はとりあえずTwitterやろうぜ。(ぉ

こちらも併せてどうぞ!

Filed under CG, Life

SPEED/IDEA/TALK

2009 9月 22nd
0 Comments

keynote_terraon

好きな台詞です。こないだのプレゼンでもスライドで使用しました。

中々仕事が積んできて、とはいえ忙しい時ほど集中してしまうので中々に刺激的な数日。
隙間のテンションで勢いブログ作ってみてます。(以下はお試しver.)

FONTS AND TRAILERS

screenshot.22-09-2009-06.53.01

コンセプトは名のとおり。
僕はフォントも最近、という感じだけれどエフェクトや使うタイミングみたいな演出サイドの流行とか、最後のクレジットの文字組みとかが結構気になるんですよ。元々ローカルベースでねちねち整理してたんですが、タグ付けの手間やら見た目のつまらなさもあってこういう形のが楽しいじゃんと。(映像メインで扱ってるのにテキストベースでしか把握できないってどうよって。検索が優秀なら一覧する必要なんてないじゃないとも。)

ただBloggerで投稿してみて課題、と思われた点

  • 全てが重い(Bloggerの問題)
  • 続けていく事を考えるとSimilarPost Plugin(=関連する投稿)が欲しい

から、WordPress+Sakuraのがいいな。

映画のつまみ食いも出来るし、ちょっと期待だ。

こちらも併せてどうぞ!

Filed under Life
次ページへ »
Recent work (Just a hobby!!) - on Vimeo